至極当たり前の話ではあるが、１０万円勝つのと１０万円負けるのとの間には、雲泥（うんでい）の差が存在する。 トップとボトム――上振れと下振れの差が、まずは互いの戦力に生じることとなった。

眼下には野球場程度の広さのフィールドが広がっている。 俺たちは出場者専用の観戦席に座りながら、Aブロック一試合目の成り行きを見守ることにした。

紫長髪の一言で場が凍り付く。 俺とやけいは始め何を言われてのか理解が追い付かなかったが、そこで。

ロイヤルギャンブリングトーナメント。 ベースは博打に重きを置いた大会であるのだが、基本的にはなんでもありのバリドゥード――つまりはバトル要素ありで最終的に相手側をぶちのめせばそれでも勝ち、というルールらしい。

セージ撃破より3か月とんで3日が経過した、今日をもって。 俺たちの逃亡生活は一旦の終わりを迎えることとなった。